ACADEMIC ACID REVIVAL FOR A NEW LIVING SOUNDS

新しい音響ムーブメント「補完派」を巡る学術的アシッドリバイバルのススメ

A Secret Laying In Between Hope Words - EP / Tiago Morais Morgado

A Secret Laying In Between Hope Words - EP

A Secret Laying In Between Hope Words - EP

  • Tiago Morais Morgado
  • エレクトロニック
  • ¥816
Philosophical Sphere - Single

Philosophical Sphere - Single

  • Tiago Morais Morgado
  • エレクトロニック
  • ¥306

 今年(2014年)発足したとおぼしきポルトガルを拠点としたレーベル"Nachtstuck Records"の主催者でありサウンドアーティストとして自らも作品をリリースしているTiago Morais Morgadoが制御し解放する電子ノイズは今日本で起こっているポスト・エレクトロニカ的なムーブメントと少なからずリンクする要素が感じられる。それはレーベルの紹介文にフリーインプロビゼーションやコンテンポラリーといった言葉が使われているのと同時にポストDJシーンという表現も見つけられることからも明らかである。ヴィオラでの即興やポエトリーリーディングにも興じる彼のラップトップによるアルバム作品にはアシッドムーブメント以降のダンスビートを即興的なグルーヴ(揺らぎ)や衝動(ランダム性、バグ)で解体したような新たな響きが存在する。

 

nachtstuckrecords.bandcamp.com

Visa / Vladislav Delay

Visa -Digi-

Visa

Visa

 アシッドリバイバルを文献化することはテクノというジャンルを終わらせる作業のことであるが、もしまだ現行型のテクノが存在するならばせめてこうあるべきである。

 

post punk - EP / shotahirama

post punk

post punk - EP

post punk - EP

  • shotahirama
  • エレクトロニック
  • ¥900

 

clampdown

Clampdown

Clampdown

  • shotahirama & Miclodiet
  • エレクトロニック
  • ¥600

 

 

Cluster

Cluster

エレクトロニカがせわしないカットアップ音楽に成り下がったとここで以前言及したが、それに輪をかけてせわしなく、しかも細々としたコラージュ、しかしそれは決して使い古されたビートではなく、グルーヴの概念を塗り替えるものであった。この新しいミニマルミュージックはまるでガラスが勢い良く割れて大小様々な破片が飛び散っている瞬間のような、無秩序でいて完璧な均整をも思わせる。おそらくこれに近い方法論を先送りにしていた作り手が今後何人も加勢に加わるのではないだろうか。

cyclo. id

Id

カールステン・ニコライと池田亮司の相違点を簡潔に述べると、前者は0から1へ、後者は1から0へ進行している音響であると言える。それは個から全を知る、全から個を得ると言い換えることも出来る。この作品は両者が0と1を行き来する中間地点で融合し驚異的な平衡(音)感覚でもって導き出した音響図像学である。

CI (Japanese edition) / Diamond Version

CI (ボーナストラック2曲収録)

 カールステン・ニコライにおける近年のクラフトワークの発見は彼自信に相当な影響を与えていると言っていいだろう。旧東ドイツ(彼は今は無きカールマルクスシュタットの生まれである)から壁の向こうの西ドイツ(80年以前のクラフトワーク=遮断された西側の文化?)を傍観してきた青年が電子音響作家の名においてコンセプチュアルアートポップアート(アートポップではない)を(西と東を)結びつけて見せた。彼にとって、そしてドイツの音楽歴史にとっての一つの節目的作品でもある。

CI (Japanese edition)

CI (Japanese edition)

  • Diamond Version
  • エレクトロニック
  • ¥1500
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