ANOTA #13 SOUND OF BUSINESS / Takayuki Niwano
niwano.bandcamp.com
音楽とその他の芸術との境界線を崩壊させた現代音楽と、ダンスフロアとベッドルームを、現実と仮想を接続してみせる電子音楽は、いずれもスケールやテクニックからの解放によって進化しつつ、それまでの音楽を補完、解体した音響芸術(技法)である。果たして21世紀にも未知の可能性を押し広げるような技法が生まれるのだろうか?そんな疑問からこのアノタシリーズは始まった。これらの楽曲は新しい技法を提示するものではなく、既に形式化してしまった現代音楽と電子音楽という二つの技法を改めて踏襲しながら共鳴させ、一部補完しようとするものである。そして私が個人的にそこに込めたものは一種の空虚感や閉鎖感という今世紀を襲う終息のイメージである。それらは近代文明を終え、カオスの絶頂を迎えようとする情報社会を一瞬にして無価値化する。言うなれば、元々歌のないインストゥルメンタルミュージックを更に形骸化させた「音響のカラオケ」である。言葉を持たない音楽の、音の響きや音色そのものに込められたメッセージさえもここには一切存在しない。
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Jon Hassell - Seeing Through Sound (Pentimento Volume Two)
ジョンハッセルが構想し続ける第四世界の音楽は間違いなく次世紀の音楽への架け橋となる。21世紀の音楽は目で聴取し、耳で目視するという行為を具現化するものである。
niwanokns.hatenablog.com
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